日経平均株価も約30年ぶりに3万円台に回復し、引き続き世界の株式市場が堅調に推移しています。
そこで、今回は株価高騰時における資産運用の注意点を整理しておきます。
「コロナ禍に苦しむ実体経済と株式市場の現状には乖離がある。今の株価高騰はバブルだ、近いうちにはじけるのではないか」と考えて一旦利益確定のために売却しておこうと考えてしまうことはよくあります。
他にも「一旦売却しておいて、安くなったところで買い戻そう」と考える人もいるかもしれませんが、それもお勧めできません。
さらなる価格上昇により買い戻すタイミングを失い、何もせずに運用を継続した場合よりも少ないリターンしか得られないことがよくあります。
このように相場予想に基づく売買は上手くいかないことが多く、エコノミストなど経済予想の専門家ですら短期的な市場予想は当たらないのですから、個人の長期的な資産運用においては相場予想によって投資方針を変える必要はないと考えます。
売却するかどうかは個人資産全体のバランスとキャッシュフロー(CF)計画次第です。
当初より長期的な資産成長に期待して運用に取り組み、CF計画が変わっていないのであれば、どんなに株価が上昇しても淡々と運用を続けることをお勧めします。
もし仮にバブルであったとしても、そういった議論が始まってからさらに長く上昇を続けることが多いという歴史的事実もあります。
株価が一本調子で上がり続けることはありませんし、いつかは必ず調整(=下落)しますが、
それは更に大きく上昇した後かもしれません。
したがって、早すぎる利益確定によりキャッシュポジションを大きくしすぎない(預金資産の比率を高め過ぎない)で、マーケットに居続けることが重要です。
売却しなくてはいけない状況があるとすると、今後5年以内に必要となる資金まで投資してしまっている場合くらいです。
時間をかければ回復する可能性が高く本当は売らない方が良いのにも関わらず、資金が必要になり売却しなくてはいけなくなる事態を避けるためです。
したがって、株価高騰時にやっておくべきことは、今後必要となる流動性資金が確保できているか、リスクを取り過ぎていないかを再度確認しておくことくらいでしょう。
ライフプランを整理して個人の将来キャッシュフローをしっかり把握することで投資可能な資金を明確にしておきます。
そして、金融危機などにより株価が大暴落した場合に発生する最大損失額を把握して、それでも経済的にも精神的にも落ち着いていられるかがリスクを取り過ぎていないかのポイントです。
流動性資金と運用期間が確保できていれば、どんなに株価が高騰しても運用方針は変える必要ありません。バブルは結構長く続くかもしれませんし、相場の先行きは予想できないと割り切って、無理し過ぎず淡々と資産運用を続けていきましょう。