リバランスの必要性

長期間にわたって資産運用を継続していくためには「リバランス」が必要と言われています。
そこで、今回はリバランスの必要性やどのくらい厳密に実行するべきなのかまとめていきます。

リバランスとは
株式やETF、投資信託の価格は日々変動しますので、時間の経過に伴う相場変動により、
資産運用を始めた当初に組んだ資産配分比率からズレが生じてきます。
このズレを解消するために、比率の高くなった資産を一部売却したり、比率の低下した資産を買い足したりすることで、
資産配分比率を元の配分に調整することをリバランスといいます。

なぜリバランスが必要なのか
リバランスが必要な理由は主に2つあります。
1つ目の理由は、リスクをコントロールするためです。
リスクを低減し安定的な資産運用に取り組むためには、
株式や債券などの異なる値動きをする資産に分散投資することが重要です。
しかしながら、最初にしっかりと資産配分を決めてポートフォリオを構築し分散投資をしても、時間の経過に伴い相場は変動するため、
保有する資産構成比に偏りが発生した場合には想定以上のリスクを取った状態になってしまったり、
反対に期待したリターン水準に達しないポートフォリオになってしまったりします。
資産運用において価格変動を避けることはできませんので、ズレが生じた資産配分を元の資産配分に戻し、
許容できる範囲内にリスク水準をコントロールするためにリバランスを実行する必要があります。

2つ目の理由は中長期的な投資パフォーマンス向上のためです。
異なる値動きをする資産に分散投資した場合、ある資産は大きく値上がりして利益が出ている一方、
他の資産は大きく値下がりしてしまう状況が起こり得ます。
この状況でリバランスを行うということは、値上がりした資産を売却して利益を確定し、
その資金で値下がりした資産を安く購入するということになります。
どの資産も右肩上がりに上昇し続けることはありませんので、定期的にリバランスを行うことで、
パフォーマンスを改善できる可能性が高くなります。

リバランスを忘れてしまったらどうなるか
リスクを適切にコントロールし、パフォーマンスを向上させるためにリバランスは必要ですが、
リバランスをしなかったとしても致命的な問題になるわけではないと私は考えています。
そもそも、当初決定した資産配分が絶対的に正しいわけではありません。
分かりやすさや管理しやすさを重視して資産配分を決定することもありますし、
前提となる期待リターンやリスクも専門家によって異なる水準を想定していることがあります。

リバランスより大切なこと
個人の資産運用においてリバランスより大切なことは、
ライフステージや資産状況の変化に応じたリアロケーション(資産配分比率の見直し)です。
資産形成に取り組む30~40代、収入も増えて資産構築も進んできた現役バリバリの50代、退職後のセカンドキャリアを見据えた60代では、
それぞれ資産運用において許容できるリスクの大きさも変わってきます。
保有する資産の規模やキャッシュフロー(家計収支)が変化しているのに
投資方針が同じままでは適切な資産運用ができているとはいえません。
それに、金利水準などのマクロ環境も変化している可能性があります。

数年間、リバランスをしなかったとしても人生を通じた資産運用にそれほど影響はありませんが、
5年・10年経過してライフステージや資産状況、マクロ経済環境が変化している場合には
現在の資産配分比率が適切かどうか確認して見直しを進めていくことは極めて重要になります。

資産運用で失敗してしまう3つのポイント

元プロ野球監督、野村克也氏の座右の銘として話題になった「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉があります。
(この言葉は野村氏の創作ではなく、松浦静山の剣術書『剣談』からの引用らしいです)

これを資産運用に当てはめて考えると、成功する方法は一様ではないし、ラッキーで上手くいくこともありますが、失敗するパターンには一定の法則があり、これをやるとだいたい失敗すると思われることは確実に存在します。

私もこれまで10年以上、資産運用に関する相談を受けてきましたが、上手くいっていない人や失敗してしまった人は、「失敗するべくして失敗している」ように感じています

そこで今回は、資産運用で失敗してしまう3つのポイントを整理してみます。

1.良い結果しか想像していない
最悪の場合にどのくらい損失が発生するのか把握しないまま投資している人が多くいます。
確実に成功する投資など存在しませんので、リターンが期待できるということは損失が発生する可能性もあるはずです。

営業担当者の言葉を鵜呑みにしているケースも多くありますが、営業担当者がリスクについて説明していたとしても、良いイメージだけが残っていて正確に想定される損失額を理解できていないで失敗することはよくあります。
まずは、最悪の事態を想定して発生する可能性のある最大損失額を覚悟しておくことが重要です。

2.コスト意識が低い
金融商品を組成し、提供する金融機関も営利企業です。
金融商品を紹介する営業マンもボランティアではありませんので、金融サービスを利用するには必ずコストがかかります。
しかしながら、日本では金融商品や金融サービスの利用に関するコストを意識しないまま投資をしている人が多くいます。
コストを開示していない金融商品やサービスも多くありますが、まずはその金融商品を販売する金融機関や担当者がどういった収入を得ているか意識することが重要です。

3.商品について理解していない
金融商品の仕組みを全て理解することは容易ではありませんが、だからといって理解せずに投資することはやはりお勧めできません。
仕組みが複雑で分かりにくい商品やリスクの所在と大きさが明確でない商品を避けるだけでも失敗は避けられます
金融リテラシーが高い人はシンプルな仕組みの商品を選り好んで利用しています。
仕組みを理解しにくいような複雑な商品はコストの高い粗悪品だと考えても問題ありません。

以上です。
資産運用で失敗するには必ず理由があります。
今回紹介した3つのポイントを抑えるだけでも、失敗するリスクは大きく減らせます。
約1年前のブログにも『金融商品を利用する際に理解しておくべき3つのポイント』について書きました。
関心があれば、こちらも併せてご確認ください。
http://mail.omc9.com/l/01XqS2/cE0ZNxup/

ソーシャルレンディングを利用した投資について

少額、短期で高配当が期待できるとソーシャルレンディングに関心を抱く人が増えているようです。
私も質問を頂戴することが増えていますので、今回はソーシャルレンディングについてまとめてみます。

ソーシャルレンディングとは
運営事業会社が投資家から資金を集めて、銀行融資が受けにくい借り手に貸して金利収入を得る投資です。
投資先は、不動産や太陽光発電所、中小事業所、海外マイクロファイナンスなど多岐にわたります。

メリット
ソーシャルレンディングを利用するメリットは短期投資で高利回りが期待できるところでしょう。
しかも、少額から投資可能です。
1年程度で満期を迎える投資案件も多く、事前に利回りが想定できていることも魅力的です。

主な3つのリスクと注意点
ソーシャルレンディングを利用する際のリスクは主に3つ(流動性リスク、デフォルトリスク、運営者リスク)あります。

◎流動性リスクとは
一度投資してしまうと途中で出金や解約ができません。満期となる償還時期が延長されてしまうこともあります。

◎デフォルト(債務不履行)リスクとは
借り手が約束通り利息支払や元本返済をしてくれないリスクです。
運営者が借り手を審査して延滞時に督促したり、破綻した時には資金回収に取り組みますが、
最終的な損失は投資家が負担することになります。

◎運営者リスクとは
運営事業会社が不適切な融資をしたり資金を流用したりするリスクです。
情報公開が義務付けられていなかったこともあり、実際に多くの不祥事が発生し、金融庁も注意喚起をしています。
運営事業会社が破綻すれば投資家の資金回収は難しくなりますので、運営会社の見極めも重要です。

◎注意点
利回りの妥当性を投資家は判断できるのでしょうか。
通常はリスクの大きい案件ほど高い利率が適用されますが、提示されている利率が本当にそのスクに見合っているのでしょうか。
債券の発行体のように格付を取得しているわけではありませんので、
リスクの大きさが把握しにくく、リスクに見合ったリターンが得られているとは限らない点には注意が必要です。

投資信託を利用した資産運用との違い
リスクコントロールを重視する投資信託による運用と異なり、
デフォルトが発生した場合の損失はどんなに時間をかけても取り戻すことができません。
インデックス・ファンドを使って世界中の株式市場に分散投資している場合には、
大きく評価額が下落することはあっても、時間さえかければ評価額は回復し成長していく可能性が高くなります。

実はリスク分散がしにくい
現在のように世界的に景気がそれほど悪くない状況であれば、同時に多くの案件がデフォルトすることはありませんので、
複数の投資案件に分散して利用することでリスクコントロールが可能です。
しかし、世界的に景気が悪化し金融危機が発生すると多くの案件で同時にデフォルトが発生することが予想されます。

まとめ
ソーシャルレンディングは短期で高い利回りが期待できることは魅力的ですが、リスク分散がしにくく、
デフォルトするときは一気に複数の案件でデフォルトする可能性が高いことには留意する必要があります。
また、運営事業者の見極めも重要です。
そして、一度デフォルトが発生すると時間かけても損失は取り戻せないことを考慮すると、
いくら高い利回りが得られたとしても相応にリスクの高い投資だと覚悟しておいた方が良さそうです。

一方で、寄付や社会貢献、社会還元に近いような性質もありますので、
投資収益を得るだけでなく、意志あるお金の使い方をしていきたいと考えている場合には有効な選択肢になります。

ヘッジファンド投資の考え方

ヘッジファンドとは、様々な取引手法を駆使して相場が上がっても下がっても利益を確保することを目指す投資対象です。
誰でも投資可能な“公募”の投資信託を通じてヘッジファンドに投資することもできますし、
一部の機関投資家や富裕層など限られた人から資金を集めて運用する“私募”のヘッジファンドも存在しています。

リーマンショックのような相場の下落局面でもプラスのリターンを実現するヘッジファンドも存在しました。
私も外資系金融機関に所属していた頃はそのようなヘッジファンドへ投資する投資信託を数多く販売した経験もあります。
しかし、そのような相場下落局面でも着実にリターンを稼いでいたファンドが
その後も高いパフォーマンスを維持できたかというと、そんなことはありませんでした。
市場環境が改善してくると株式インデックス・ファンドに大きく負けてしまうものばかりです。
つまり、どんな局面でも利益を出し続けることは簡単なことではありません。

もし仮にそのよな優秀なヘッジファンドが存在するとしても、それを事前に見抜くことは難しく、
さらに、適切なタイミングでそれを売買することは不可能に近いことです。

結果的に優秀な成績を残しているヘッジファンドは注目を集めますが、
一方で大きく下落してひどい成績のヘッジファンドも多数存在しています。
金融機関の営業マンは運用成績の良さをアピールしながら投資提案をしてきますが、
過去の運用実績は必ずしも将来のリターンを保証するものではありません。
これはアクティブ・ファンドに対しても同様です。
もちろん相場変動を乗り越えて市場平均を大きく上回ってきたアクティブ・ファンドもありますが、
10年間成績の良かったファンドが次の10年も成績が良いかというと、ほぼ無相関というのが多くの実証分析の結果です。

アクティブ・ファンドと異なるのは、
ヘッジファンドは運用手法を公開しないことも多く、
どんな運用をしているのかブラックボックスで見えなくなっています。
運用成績を信じて投資をしたら、それが虚偽であったという事例もあります。
高いリターンをアピールして投資を勧誘する投資詐欺とほとんど変わりません。

また、インデックス・ファンドなどに比べると、購入時手数料や値上がり益に対して支払う成功報酬の率も高く、
高コストというデメリットもあります。

株式や債券などの伝統的な資産クラスとは異なる値動きをするヘッジファンドに投資することで
分散効果が期待できることもあります。
しかしながら、投資内容が複雑で理解できないものや
ブラックボックスで公開されていない金融商品への投資は避けておくべきだと考えます。
相場下落局面で儲けることよりも後悔するような事態を避けることが重要だと考えるからです。

誤解だらけの公的年金

金融庁の報告書発表から1ヶ月以上経ちますが、いまだに「老後2000万円問題」について多くの報道を目にします。
証券口座の開設者数も増えているようですし、
多くの人が主体的に資産形成に取り組むようになっているのは良い事だと思います。
しかしながら、先日の参議院選挙での各党の公約を見ていても、
年金制度について正しく理解できていないものが多くあります。
そこで、今回は公的年金についてよくある誤解を中心に説明します。

<公的年金とは>
そもそも公的年金とは、貯蓄制度ではなく保険制度です
日本経済新聞社編集委員の田村正之さんは「年金制度は人生のリスクに備えるお得な総合保険である」
説明していますが、まさにその通りだと思います。

年齢を重ねて就労による収入が獲得できなくなった人や突然障害を負ってしまったり、
一家の大黒柱が亡くなってしまった人にお金を支給するためのセーフティネットです。
相互扶助のための保険制度だからこそ国民年金の保険料納付は20歳以上の全国民が負担する義務になっていますし、
保険給付には税金も投入されています。
国民年金の上乗せである厚生年金では、企業が従業員の保険料の半分を負担しており、
日本社会に属する個人と企業で社会全体の保障制度を支えているのです。

<年金制度は維持可能なのか>
現在の年金制度は、自分が積み立てたお金を将来の自分がもらう「積立方式」ではなく、
今の現役世代が払った保険料が受給世代の年金として支給される「仕送り方式(正確には賦課方式と言います)」です。
確かに「仕送り方式」では少子高齢化によりいずれは制度が破綻するように思えますが、そんなことは起きません。
人間はいつか亡くなるため、受給世代も永遠に増え続けるわけではありませんし、
人口構成の変化は確実に予測可能なことなので、税金で負担する割合を引き上げたり、
物価上昇率に比べて給付額を抑制する「マクロ経済スライド」という仕組みを導入することで対策済みです。
さらに、150兆円という莫大な積立金もあります。
これはこれまで集めた保険料を将来の年金支払いに備えて積み立て、運用してきた資金であり、
年金支払いの財源として確保されています。

<現役世代は払い損なのか>
社会のセーフティネットなので個人の損得で考えるのは正しくありませんが、
あえて損得で考えたとしても公的年金はかなりお得な仕組みです。

最大のメリットは亡くなるまで給付を受けられる“終身”年金だということです。
どんなに長生きしても一定の給付が受けられます。
しかも、物価が上昇すればある程度受給額も増える仕組みになっています。
これは民間の金融商品では到底実現できない機能です。

今後の経済成長率などによっても変わりますが、
60歳時点の平均余命である83~85歳まで生きると想定すると、
現在の40歳では支払った保険料の2.4倍、50歳では2.8倍、60歳では3.2倍の金額がもらえます。
税金が投入されていることもあり、約10年も受給すれば個人で負担した保険料を上回る給付が受けられるような設計になっています。
しかも、平均余命より長生きすればさらに長生き保険としてのメリットが受けられます。

<まとめ>
今回は公的年金制度についてのよくある誤解について説明しました。
年金制度について正しく理解することで、
年金不安を煽って誤った情報を提供しながら金融商品や不動産を売り込む営業マンに惑わされることがなくなります。
そして、さらに大切なことは、公的年金の受給額は個人の選択次第で大きく変わるということです。
各自が年金を増やすためにできる対策をとっておくことが重要になります。

『コア・サテライト戦略』による資産運用

今回は資産運用における『コア・サテライト戦略』についてまとめていきたいと思います。

運用資産の大半を占め中核となる「コア」部分は伝統的資産と言われる株式と債券でポートフォリオを構成し、資産の安定的な成長を目指します。

一方で、運用資産の一部「サテライト」部分では積極的に利益を狙って投資対象を広げていく運用戦略のことをいいます。

海外の多くの投資家が取り組んでいる方法であり、機関投資家と呼ばれる多額の資金を運用する法人の多くが採用している戦略です。

そもそも、資産運用は、効率性を追求してまともにやればやるほど、退屈でつまらないものになります。
なぜなら、資産運用の王道は、
1.十分に分散された
2.低コストのポートフォリオに
3.時間分散を計りながら
4.長期投資をする
ことだからです。

特定の資産に偏らないように国内外の株式と債券に幅広く分散させて、低コスト商品を使って、タイミングも分散しながら、じっくり長期にわたって投資するということです。
もう少し簡単にいうと、「資産運用の王道は、幅広く分散して長期で続けるだけ」です。

値動きが大きくて上昇しそうな株式を選別し、タイミングを計って売ったり買ったりするといった、ゲームのようなスリリングな取引は一切必要ありません。
経済ニュースから市場動向を予想して、値上がりが期待できそうな通貨や成長しそうな国を探す必要もありません。

こうした一見面白みに欠けるシンプルな資産運用でも、長期で継続すれば相応のリターンは稼げるはずです。
そして、これを実践していると、損する可能性も極めて低くなります。
実際に、様々なデータが国際分散投資による長期運用の有効性、確実性を証明しています。

そして、機関投資家の運用資産の中心となる「コア」部分もこういった王道と言われるシンプルな投資により構成されているのです。
海外では個人投資家もアドバイザーのサポートを受けながら当然のように、この王道スタイルで運用に取り組んでいます。

しかし、日本でこういった世界標準の資産運用に取り組めている人は少数派です。
「コア」となるはずの先進国の株式や債券を中心としたポートフォリオではなく、本来は「サテライト」に位置付けられるような資産ばかり保有しています。
具体的には、ブラジル・トルコ・南アフリカなどの新興国通貨や豪ドルなど資源国通貨、仕組債などデリバティブ(金融派生)商品、流行りのテーマに沿った投資信託などです。
こうなってしまっている理由は、金融機関が手数料を稼ぎやすくて、売りやすい商品ばかり売っているからです。

趣味で投資を楽しみたいという一部の人を除くと、多くの人にとって人生における資産運用の優先順位はそれほど高くないはずです。
誰もが資産運用に取り組むことは必要な時代ですが、興味がなければ、
必要以上に時間や労力を費やす必要はなく、コアとなる資産のみを保有することでも十分だと考えます。
まずは「コア」となる資産を作り、興味関心があれば「サテライト」部分で
更なる収益性アップや楽しみを求めてみてはいかがでしょうか。

ロボットアドバイザー(ロボアド)は有効なのか

コンピューターが資産運用の助言をする「ロボアドバイザー(ロボアド)」のサービスが増えています。
将来的に資産運用アドバイザーの仕事が無くなるのではと言われることもあります。
そこで、今回はロボアドとはどのようなサービスなのか、
ロボアドのアドバイスは有効なのか確認していきたいと思います。

フィンテック企業だけでなく、銀行や証券会社が相次ぎロボアドのサービスに乗り出しています。
インターネット上で年齢や年収、リスク許容度などに関連する簡単な質問に答えると、
それぞれの考えや状況に合った資産配分を提案してくれるサービスです。

無料で助言のみ受ける「助言型」と、有料で運用を任せる「投資一任型」の2つに大別されます。
助言型は実際の売買手続きを自分で行う手間がかかりますし、
自社商品を売り込むための単なる宣伝ツールになっているものもあります。
投資初心者には資産の配分や定期的な組み替えを自動でやってくれる一任型が便利です。

一任型の手数料は運用資産の1%前後で、
金融機関に運用を任せる「ラップ口座」の2~3%台と比べれば、安く設定されています。
運用資産が一定の規模を超えるとさらに安くなることもあります。
投資対象は海外の上場投資信託(ETF)など手数料の低い商品で構成されているのが一般的です。

1%の運用コストは安くはありませんが、初心者が自分で資産配分を考え商品を選択し
売買手続きを行う手間を考えると許容範囲であると感じます。
金融機関の営業マンにまともなアドバイスが期待できない現状を考えると、
ロボアドの方がだいぶマシなアドバイスをしてくれる可能性が高いでしょう。

ただし、ロボアドは個人資産の中でどれくらいの金額を投資しても問題ないかは教えてくれません。
そして、いつ現金化するかなど運用を終わらせるアドバイスもくれません。

私が重視している市場環境の変化やライフステージの変化に合わせて
運用資産の規模を管理するようなアドバイスは当面期待できませんので、
ロボアドを利用するにしても、任せきりにせず、自身で内容を見直すことが不可欠です。

そもそも、どのロボットに任せるか初心者が自身で判断できるのでしょうか。
ロボアドだからといって簡単に儲かるわけではありませんし、
結局は人間のアドバイスも多くの人にとって必要なのだと思います。

高金利通貨での運用はお得という誤解

最近も銀行や証券会社、保険会社の営業担当者は外貨建ての金融商品の販売に力を入れているようです。
特に日本の金利に比べて高い金利水準の国、オーストラリアやニュージーランド、トルコや南アフリカ、ブラジルなどの通貨で運用する商品です。
確かに、金利水準だけを見れば、こうした高金利国の通貨で運用する商品の方が有利に思えます。
それに、「金利が高いほうが有利」というのは非常に分かりやすいロジックなので、
そのままセールストークを信じてしまい、高金利通貨で運用する金融商品を買ってしまう人が多くいます。
しかしながら、「高金利だからお得」というのは多くの投資家が勘違いしている誤解なのです。

そこで、今回のブログでは「高金利通貨はお得ではないばかりか、長期的には下落しやすい」実態について
説明したいと思います。

為替市場の動向は、短期的には2国間の金利の影響を受けやすいのは事実です。
例えば、A国の政策金利が引き上げられると、日本との金利差が広がり、
A国の通貨が上昇し円安が進みやすくなります。
しかし、それは「高金利だから長期的に上昇し続ける」ということではありません。
新興国など金利が高い国の経済は、物価上昇のペースが速く、そのペースを抑えるためにあえて金利を高く設定しています。
物価上昇、つまりモノの値段がどんどん上がってしまうと、同じ金額で買えるモノの量が減っていきます。
それは通貨の価値が下落していることを意味します。

したがって、金融の専門家の間では、「長期的には、高金利通貨は下落しやすい」という考え方が常識です。
それにもかかわらず、金融機関の営業担当者の中には、
「高金利通貨は人気があるので、金利収入だけでなく、為替の上昇も期待できますよ」と話す人までいます。

もちろんタイミングによっては高金利通貨への投資で大きなリターンを得られることもありますが、
基本的には「高金利の国の通貨は価格が下がりやすい」、つまりいくら金利がたくさん受け取れても、
通貨の下落によって最終的には儲からないことが多いという結論は多くの人が知っておいたほうが良いと思います。

相場変動に負けずに資産を増やす方法

昨年末にかけて株式市場は大きく下落しましたが、
今年に入ってからの3ヵ月間でだいぶ回復してきました。
国内の株式市場は大幅下落前の12月中旬と同じ水準まで、
海外株式市場は11月上旬と同じ水準まで株価は反転上昇しています。

年末の大幅下落の際には、それまで大きく出ていた利益が縮小し、
弊社のお客様の中にも「ここまで短期間で下がるのか」と改めて驚かれた方もいらっしゃいました。

そこで、今回は株式市場が大きく変動しても長期でじっくり運用すれば
最終的には儲かる可能性が高い理由や市場変動に負けずに資産運用を続けるポイント
をまとめていきます。

株式は有価証券と言われるように価値がある資産です。
しかも、価値が増加していく仕組みになっています。
企業は利益を上げると一部を配当金として株主に支払い、
残りは内部留保として株主資本に加えられ、株式の価値が増加していきます。

ただし、特定の企業の株式しか保有していないと、
運悪くその会社が倒産してしまうかもしれませんし、継続的に利益を稼いでいけるとは限りません。
そこで、世界中の企業の株式に幅広く分散して投資しておく必要があるのです。

世界中の幅広い企業の株式に投資した場合のリターンは
長期的にはGDPの成長に連動していきます。

世界経済はゆっくり成長しています。
世界の人口は増えていますし、発展途上国や新興国の人々の生活も確実に良くなっています。
世界的にはインフラ投資が起こり、イノベーションも進み新しい商品やサービスが次々と生まれています。
したがって、
一時的に経済成長が減速することはあっても成長が止まってしまうということは考えにくいのです。
もちろん短期的には大きな変動がありますが、
長い期間投資を継続することによって経済成長率並みの収益が得られるはず
なのです。

しかしながら、投資を継続することは簡単ではありません。
私はこれまで1000人以上の資産運用への取り組み方を見てきましたが、
投資経験があまりないうちは不安に感じて投資を止めてしまう人や、
逆に投資金額を増やし過ぎてしまいリスクを取り過ぎてしまう人がたくさんいます。
リスクをコントロールしながらきちんと投資を継続できている人はそれほど多くありません。

大きな下落局面が到来しても落ち着いて投資を継続できるようにしておくことが重要です。
弊社では想定される最大損失額を必ずお伝えして、
いくらまでであれば一時的な損失に耐えられるかを確認し投資金額や資産配分を決定しています

相場変動に負けずに資産を増やしていくためには以下の2点が特に重要なポイントになると私は考えています。
・最悪の事態を想定できているか
・当面の生活費など流動性資金を確保できているか

平成31年度税制改正大綱のポイント

昨年12月に平成31年度税制改正大綱が公表されました。
今回の改正は今年の10月に見込まれる消費税の増税に伴い、
大幅な駆け込み需要やその反動減を和らげるための策に焦点が置かれています。

今回は個人資産に影響のある改正ポイントを2点まとめていきます。

1.住宅ローン減税の控除適用期間が3年間延長
消費税増税により10%適用の住宅を取得し、
平成31年10月1日から平成32年12月31日に居住開始した場合に、
住宅ローン減税の控除適用期間が延長されます。
現行の10年間の適用(ローン残高の1%)に加えて、
11年目から13年目まで以下のいずれか低い方の金額が控除できます。
(a)住宅ローンの年末残高(4,000万円を限度)×1%
(b)建物購入価格(4,000万円を限度)×2%÷3

この計算式は、消費税増税により負担増となる2%分を3年間延長することにより
還元しましょう、という意味です。

他にもすでにある住宅取得等資金贈与の非課税制度も新築住宅については優遇されていて、
消費税10%で取得すると最大で3000万円(!)の贈与が非課税となります

この住宅ローン減税の拡充のみで、消費税率引き上げ分が全てカバーされるわけではありませんし、
増税後には不動産価格が下落することも多いため、
増税だからといって住宅を買い急ぐ必要はないと思います。

しかし、期間が延長される住宅ローン減税と住宅取得等資金贈与の非課税枠の最大額を併用したい場合は、
31年4月から32年3月までの間に売買契約を締結し、
住まいの引き渡しと居住開始は31年10月1日から32年12月31日までとする必要があります。
贈与資金も使って新築住宅の取得を予定している人にとっては今年と来年は大きなチャンスといえます。

2.教育資金、結婚・子育て資金非課税制度の延長
平成31年3月31日に適用期限を迎える「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」と
「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」が共に平成33年3月31日まで2年延長されます。
一方で、受贈者の所得要件(1,000万円)がどちらも追加されました。
つまり、高所得者への贈与については適用できなくなります。
また、23歳以上の受贈者の教育資金の範囲が限定されました。

以上です。他にも、仮想通貨に係る所得の計算方法が明確化されたり、
海外赴任中のNISAの取扱方法の変更や、
自動車税の軽減、配偶者居住権の創設に関する相続評価方法の制定などがあります。

全体として今回の改正は減税につながるものが多いようです。
減税になるからという理由だけで無理に制度を活用する必要はありませんが、
ライフプランを考慮したうえで、メリットが大きく使える制度があれば有効に活用していくことをお勧めします。