資産運用商品やサービスを見極める3つのポイント

2021年11月より金融サービス仲介業制度が導入されることによって、銀行や証券、保険といった様々な金融商品をワンストップで提供するサービスが始まる予定です。

他にも、「最先端アルゴリズムを取り入れた資産運用サービス」とか「ゴールベースアプローチの資産運用サポート」など、新しい金融商品やサービスが相次いで発表されています。

 

どのような分野であっても新商品や新サービスによって利便性が向上したり、質の高い機能が利用できることは歓迎すべきことです。

しかし、金融商品については一般の方がその機能性やサービスの質を判断することが難しく、現実には多くの専門家が批判しているにもかかわらず、人気が出てよく売れてしまう商品・サービスが多くあります。

 

そこで今回は、資産運用商品やサービスを見極める3つのポイントについて整理したいと思います。

 

1.コスト

どのような商品・サービスも無償で提供されるわけではありません。

「相談は無料です」と謳っていてもボランティア活動でない限り、どこかでコストを負担することになります。その商品・サービスを利用する際に直接・間接に負担する手数料の具体的な金額はいくらか確認することが大切です。そして、その手数料が他の商品・サービスと比べて高いのか安いのかも知る必要があるでしょう。

一部に手数料などを開示していない金融商品もありますが、そのような商品は即刻選択肢から外した方が良いかもしれません。

そして、コストの大小にはそれに見合うサービスや機能があるかという視点も大切です。

 

2.リスクの所在と大きさ

資産運用には必ずリスクが伴います。

どのような局面でどれだけの損失が発生する可能性があるのか、金融危機が発生した場合にどの程度の損失が発生するのか、事前に把握しておく必要があります。

仮に、大きな評価損失が発生しても回復する可能性があるのか、回復するとした場合どのくらいの時間を要するのかも重要です。

金融機関やサービス提供者はメリットを強調してアピールしますし、利用者も資産運用から得られるリターンにばかり目がいってしまう人が多いように思います。

期待できるリターンよりもリスクに注目し最悪の事態を想定しておくことが安心につながります。

 

3.流動性

いつでも売却して出金できるか。解約するのに制約がある場合は、その条件や手数料も把握しておく必要があります。

コロナウィルス問題により実感した人も多いと思いますが、経済や金融市場だけでなく個人のライフプランにおいても想像していなかった事態が発生し何かをキッカケに人生設計や資金計画が激変する可能性があります。

資産運用においても流動性確保の大切さを再確認しておくべきだと感じます。

 

以上の3つのポイントを理解して資産運用商品やサービスを選ぶと、コストが安くてシンプルな商品・サービスに行きつくと思います。

 

私は15年以上金融業界の中で様々な商品やサービスを見てきましたが、「金融商品やサービスの機能に期待しすぎないこと」も重要ではないかと感じています。

新しい商品やサービスが売り出されるときにはメリットや魅力が誇張されて宣伝されますし、大きな期待が集まります。しかし、何年か経過して振り返ってみると期待外れに終わってしまったり、金融機関などの都合でサービス提供が継続できなくなってしまうこともよくありました。

 

資産運用には普遍的な原理原則があります。

魅力的に聞こえる新しいサービスに飛びつくよりも、今回紹介した3つのポイントを意識してコストを抑えたシンプルな商品・サービスを選択した方が資産運用で成功する確率は高くなります。