長期的な株式投資が報われる理由

最近の株式市場は上昇基調にあり、3月の急落前の水準に近づきつつあります。
経済指標の悪化を報じるニュースにも反応せず、
上昇を続けていることにかえって不安を感じることもあるくらいです。

運用経験がまだそれほど長くない方の中には
このまま資産運用を続けて大丈夫なのだろうかと悩んでいる人もいます。
そこで、今回は長期的な株式投資が報われてリターンが得られる理由について整理していきます。

株価の変動を利用して短期的な売買を繰り返す投資家も多くいますが、
値動きに乗じてタイミング良く売買を行うことは投資のプロでも難しいことです。

たまたま上手くいくことはあっても、
短期的な変動のタイミングを上手く掴んで取引を続けることは不可能です。
一方で長期的な株価の変動はきちんとした原理原則があって動いています。

特定の会社の株価も短期的にはランダムに動きますが、
長期的にはその会社の企業価値に集約していきます。
企業が利益をあげて成長していく限り株価も上昇していきます。
つまり、継続的に価値が増大していく対象に時間をかけて投資を続けることで確実にお金を増やすことができます
逆に言うと、成長するものに投資しないと長期で投資を継続していても報われません。

成長する資産を見つけることが大事なわけですが、
多くの人にとって何(どこの地域、どの会社)が成長するのか選別することは困難です。
そのため、投資信託を通じて世界経済全体に分散投資することによって地球規模での経済成長の恩恵を
取り込んで自分のお金を増やしていく運用方法が効率的
です。

これからの数年間もリーマンショック後のように世界経済全体の成長が減速するかもしれません。
しかし、長期的に見れば世界の経済はゆっくりと成長していきます。
世界の人口は増えていますし、発展途上国や新興国の人々の生活も徐々によくなっています。

今後も世界的にインフラ投資が起こり、そしてイノベーションにより新たな商品やサービスが生み出されていきます。
一時的に経済成長が減速することはあっても、
それが長期に続き成長しなくなるということは考えにくいのです。

また、資本主義経済は人類の欲望がある限り発展していく経済システムだと考えることもできます。
もっとよい暮らしをしたいという生活者の欲望や、もっと稼ぎたいという資本家の欲望が、
新たなモノやサービスを創り出して世界の富を拡大させていく原動力になります。

そして、その欲望に基づいて成長し、価値を創造し続ける仕組みが「株式」です。
多くの株式会社は常に成長を求めて努力を続けています。
もちろん、個別に見ればそれが実現できない会社もありますが、
世界中の企業全体としては成長が続いていくはずです。
だからこそ、投資信託を通じて世界経済全体に分散投資をして長期的に継続していく必要があります。

最後に、もう1つだけ。
資産を増やすために重要なポイントとしてコストが挙げられます。
いくら世界経済が成長を続けたとしても、大手金融機関が提案するようなコストの高い商品やサービスを
利用していると得られるはずのリターンも手元には残りませんので注意が必要です。