日経モーニングプラス出演

【日経モーニングプラス】
4月16日(火)7時05分から放送のBSテレビ東京「日経モーニングプラス」に出演しました。
「もうすぐ10連休 お金の注意点と資産運用」をテーマに、10連休に際してお金の注意点2つと、資産運用のポイントや対応策などを解説しました。

 

 

 

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相場変動に負けずに資産を増やす方法

昨年末にかけて株式市場は大きく下落しましたが、
今年に入ってからの3ヵ月間でだいぶ回復してきました。
国内の株式市場は大幅下落前の12月中旬と同じ水準まで、
海外株式市場は11月上旬と同じ水準まで株価は反転上昇しています。

年末の大幅下落の際には、それまで大きく出ていた利益が縮小し、
弊社のお客様の中にも「ここまで短期間で下がるのか」と改めて驚かれた方もいらっしゃいました。

そこで、今回は株式市場が大きく変動しても長期でじっくり運用すれば
最終的には儲かる可能性が高い理由や市場変動に負けずに資産運用を続けるポイント
をまとめていきます。

株式は有価証券と言われるように価値がある資産です。
しかも、価値が増加していく仕組みになっています。
企業は利益を上げると一部を配当金として株主に支払い、
残りは内部留保として株主資本に加えられ、株式の価値が増加していきます。

ただし、特定の企業の株式しか保有していないと、
運悪くその会社が倒産してしまうかもしれませんし、継続的に利益を稼いでいけるとは限りません。
そこで、世界中の企業の株式に幅広く分散して投資しておく必要があるのです。

世界中の幅広い企業の株式に投資した場合のリターンは
長期的にはGDPの成長に連動していきます。

世界経済はゆっくり成長しています。
世界の人口は増えていますし、発展途上国や新興国の人々の生活も確実に良くなっています。
世界的にはインフラ投資が起こり、イノベーションも進み新しい商品やサービスが次々と生まれています。
したがって、
一時的に経済成長が減速することはあっても成長が止まってしまうということは考えにくいのです。
もちろん短期的には大きな変動がありますが、
長い期間投資を継続することによって経済成長率並みの収益が得られるはず
なのです。

しかしながら、投資を継続することは簡単ではありません。
私はこれまで1000人以上の資産運用への取り組み方を見てきましたが、
投資経験があまりないうちは不安に感じて投資を止めてしまう人や、
逆に投資金額を増やし過ぎてしまいリスクを取り過ぎてしまう人がたくさんいます。
リスクをコントロールしながらきちんと投資を継続できている人はそれほど多くありません。

大きな下落局面が到来しても落ち着いて投資を継続できるようにしておくことが重要です。
弊社では想定される最大損失額を必ずお伝えして、
いくらまでであれば一時的な損失に耐えられるかを確認し投資金額や資産配分を決定しています

相場変動に負けずに資産を増やしていくためには以下の2点が特に重要なポイントになると私は考えています。
・最悪の事態を想定できているか
・当面の生活費など流動性資金を確保できているか

平成31年度税制改正大綱のポイント

昨年12月に平成31年度税制改正大綱が公表されました。
今回の改正は今年の10月に見込まれる消費税の増税に伴い、
大幅な駆け込み需要やその反動減を和らげるための策に焦点が置かれています。

今回は個人資産に影響のある改正ポイントを2点まとめていきます。

1.住宅ローン減税の控除適用期間が3年間延長
消費税増税により10%適用の住宅を取得し、
平成31年10月1日から平成32年12月31日に居住開始した場合に、
住宅ローン減税の控除適用期間が延長されます。
現行の10年間の適用(ローン残高の1%)に加えて、
11年目から13年目まで以下のいずれか低い方の金額が控除できます。
(a)住宅ローンの年末残高(4,000万円を限度)×1%
(b)建物購入価格(4,000万円を限度)×2%÷3

この計算式は、消費税増税により負担増となる2%分を3年間延長することにより
還元しましょう、という意味です。

他にもすでにある住宅取得等資金贈与の非課税制度も新築住宅については優遇されていて、
消費税10%で取得すると最大で3000万円(!)の贈与が非課税となります

この住宅ローン減税の拡充のみで、消費税率引き上げ分が全てカバーされるわけではありませんし、
増税後には不動産価格が下落することも多いため、
増税だからといって住宅を買い急ぐ必要はないと思います。

しかし、期間が延長される住宅ローン減税と住宅取得等資金贈与の非課税枠の最大額を併用したい場合は、
31年4月から32年3月までの間に売買契約を締結し、
住まいの引き渡しと居住開始は31年10月1日から32年12月31日までとする必要があります。
贈与資金も使って新築住宅の取得を予定している人にとっては今年と来年は大きなチャンスといえます。

2.教育資金、結婚・子育て資金非課税制度の延長
平成31年3月31日に適用期限を迎える「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」と
「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」が共に平成33年3月31日まで2年延長されます。
一方で、受贈者の所得要件(1,000万円)がどちらも追加されました。
つまり、高所得者への贈与については適用できなくなります。
また、23歳以上の受贈者の教育資金の範囲が限定されました。

以上です。他にも、仮想通貨に係る所得の計算方法が明確化されたり、
海外赴任中のNISAの取扱方法の変更や、
自動車税の軽減、配偶者居住権の創設に関する相続評価方法の制定などがあります。

全体として今回の改正は減税につながるものが多いようです。
減税になるからという理由だけで無理に制度を活用する必要はありませんが、
ライフプランを考慮したうえで、メリットが大きく使える制度があれば有効に活用していくことをお勧めします。

FP向けセミナーに登壇します

2019年3月10日(日)に市ヶ谷で開催されるセミナーに登壇します。

主催:ビジネス教育出版社

日時:3月10日(日)14時~17時

セミナータイトル:

『FPとして押さえておきたい資産運用アドバイスのポイント』

内容紹介:

・資産運用の王道とは
・リスクをコントロールする方法
・iDeCoやNISAなど税制優遇制度の使い分け
・金融商品や金融サービスの見極め方

FP向けとしていますが、参加資格はありませんし、どなたでも参加できます。

詳細はこちら:

https://www.bks.co.jp/fp-seminar/10360?fbclid=IwAR1q9RsI5STIctprsDACkH97C4qmH8D_ohkgEQ-wRNfdFc8mEJIbhrk2-Mo

2019年の投資に対する考え方

2018年は年末にかけて国内外の株式市場が大きく下落し、日経平均株価の年間騰落率は7年ぶりのマイナスでした。
中でも特に新興市場の下落が大きく目立ちます。
海外株式は国内に比べると下落率は比較的小さかったですが、多くの株式市場が下落した1年でした。

2019年の株式市場も波乱の幕開けですが、
ここは心を落ち着けて当初の資産運用方針に沿って淡々と投資を続けていくことが重要になります。
(資産運用方針を定めていないで取り組んでいる場合は早急に定める必要があります)

今後の見通しとしても、米中貿易摩擦や世界景気の先行き不透明感が市場心理を冷やす構図は変わっていません。
国内では10月に消費増税も予定されていますし、ネガティブな材料が多そうです。

弊社のお客様には、相場下落時に追加投資できるように投資金額を抑えめにして投資余力を残しておくことをずっとお伝えしてきました。
当面はすぐに反転上昇することは期待しにくい状況ですが、マーケットが大きく下落する悲観時期は、
長期投資家が将来の果実をさらに大きく育てることができる絶好のチャンスです。
是非、今年は追加の投資を検討していただきたい時期であると私は考えています。

株価下落や景気悪化のニュースを耳にするたびに、不安に感じる方が多いことも十分に承知しています。
しかし、上がった相場は必ず下がるし、下がった後にはまた上がるのが株式市場です。
どこまで下落が続くのか、下落がどのくらい大きくなるかは誰にも分かりませんが、
確実に言える事は、数ヶ月前の高値で買うよりも、調整している今買う方が、儲かる可能性が高いということです。

これから10年単位で考えれば、株式市場が再び今の水準より高くなっている可能性は高いと言えます。
ただし、個別銘柄や特定の地域の株式市場に集中投資するのではなく、世界中の株式市場に幅広く分散投資すること。
そして、タイミングを計って最安値を狙うのではなく、時間の分散も図りながら継続的に積み増していくことが重要です。

2008年のリーマンショック発生時、私は外資系金融機関で営業の仕事をしていましたが、
多くの人は相場が下がり続けることに不安を感じて、保有している投資信託を売却していきました。
一方で、そのような局面でも、少しずつ買い増しを続ける顧客がほんの数名いました。
彼らが数年後には大きなリターンを手に入れたのは言うまでもありません。

世界の労働人口は増え続け、イノベーションにより新たなサービスが生み出され、
テクノロジーによって世界の労働生産性はますます向上していくことを考慮すれば、
世界経済が中長期的に成長していく可能性は非常に高く、世界経済の成長が継続していくことを前提に考えると資産運用の方針を変える必要はありません。

2019年は短期的な変動に振り回されることなく、中長期的な視点で資産運用を続けていくこと、
余力がある人は少しずつ運用資産を積み増していくことが、賢明な選択だと言えるのではないでしょうか。

投資信託が値上がりしても、投資家はそれほど儲かっていない?!

投資信託を評価する指標として「インベスターリターン」と呼ばれる指標が注目されています。

「インベスターリターン」とは、実際に投資信託を購入した投資家が得た平均的リターンを示します。
これに対して「通常のリターン」は投資信託の基準価格の騰落率であり、投資家の実際の売買とは無関係に計算されます。
ファンド運用者の腕前の比較評価に使うのは通常のリターンの方です。

当然ですが、投資家にとっては「インベスターリターン」が大事です。
株式市場がどんなに上昇しても、投資信託の価格がいくら上がったとしても、投資家が実際に儲からないと意味がありません。

しかし、残念ながら多くの投資信託は「インベスターリターン」が「通常のリターン」を下回っています。
つまり、投資信託の運用成績ほどは投資家個人は運用成果を得られていないということです。

ある有名な人気ファンドも運用開始以来のリターンは年率20%を超えているにもかかわらず、
「インベスターリターン」は4%程度しかありません。
(モーニングスター社のサイトなどで各ファンドのインベスターリターンは誰でも確認できます)

投資信託を利用するにあたり、「高値掴み」や「安値売り」をした人が多くいるほど、インベスターリターンは低下します。
本当は安い時に買って、高い時に売るのが良いに決まっているのですが、現実は、その逆になっています。
下がっている時に慌てて売ってしまい、上がっている時に乗り遅れまいと慌てて買うという投資家の非合理的な行動がパフォーマンスを大きく下げているのです。

私も15年ほど個人投資家の動向を直接見てきました。メディアの影響もあり、
多くの人が株価上昇によりピークに近づくころ頃に積極的に投資したくなり、相場が悪くなり株価下落が続いた局面で投資を止めようとします。

そして、手数料を稼ぎたい金融機関の営業姿勢がそれを助長します。
既にかなり価格が上昇していて更なる上昇余地が限定的であったとしても、目の前の販売実績に釣られて顧客の背中を押してしまいます。

下落局面では、不安になっている投資家に対して冷静な判断を促すよりも、
一旦売却して次の投資チャンス(=新たな販売手数料を稼ぐチャンス)に備えることお勧めしてしまうのです。

そして、市場回復が明確になり相応に値上がりした頃に再度投資をすることになります。
結果的には、何も売買せずに投資を継続していればより良いパフォーマンスになっていたケースが圧倒的に多いのですが、多くの人はそれにすら気付いていません。

人間は感情に流されてしまい非合理的な行動をしがちであることは行動経済学の分野で明らかにされています。
運用方針をしっかりと定めて、ブレずに淡々と運用を続けることが大切なのですが、
特に投資経験が浅い投資家にはそれはすごく難しいことかもしれません。
そんな時にこそ、客観的な立場から冷静に助言ができる資産運用アドバイザーの存在意義があるのではと感じます。

株価急落時の対応のポイント

2018年10月は世界的に株式市場が大きく下落しました。
日経平均株価も一時3,000円以上下落しています。そこで今回は株価急落時の対応方法についてまとめたいと思います。

まず、メディアの報道に煽られず冷静に対応することが重要です。
「日経平均大幅続落 1000円安」などと報じられますが、下落率は5%未満だったりします。
5%程度下がることは頻繁にあることだと認識する必要があります。
しかし、今回は株価が1カ月で1割以上下がっていますから、一応「大幅下落」と言っても良いとは思います。
ただし、これも1年に1回くらいは起こるものだと覚悟しておくべきでしょう。

次に対応方法を考えてみたいと思います。

まず、下落理由を確認します。
企業業績の悪化や経済成長率の鈍化など、実体経済が大幅に悪化していることが判明して下落するケースもありますが、
景気が悪くなるとしても徐々にマイナスの材料が増えていき株価水準を切り下げていくことが通常なので、
景気悪化を理由として一気に下落することはそれほどありません。

多くの場合は市場心理の悪化や上昇が続いたことによる調整局面として株価が下落するケースです。
10月の下落もそれまでの上昇ペースが速かったことによる、調整局面だったと私は判断しています。

この場合は、下落が長引く可能性は低く、何かのきっかけで反転する場合も多くあります。つまりは、大きな下落が発生しても慌てて売る必要はないということです。

むしろ、リスクコントロールを重視して投資余力を残していた投資家は、
買い増しを検討することが有効だと考えます。

積立投資の設定を利用したり定期的に買い増しを進めている場合には、
大幅な下落時に投資金額を引き上げて対応することもお勧めしています。

今後も一時的に1割程度の下落は発生するはずです。
いつ、どの程度の大きさの下落になるか事前に予想することは不可能ですが、
その際に慌てることのないように、追加投資の余力を確認し、
現状のアセットアロケーション(資産配分)で想定される最大損失額をもう一度確認しておくことが重要
だと思います。