長期投資の有効性

前回のブログでは、分散投資の効果と重要性についてまとめました。
今回は資産運用において、「分散投資」と並んで重要になる「長期投資」についてまとめてみたいと思います。

2月以降、株式市場は変動の大きい相場展開が続いています。
日本も米国も2018年に入ってからの直近高値に対して1割以上下落する場面がありました。
このような短期的な市場変動を利用して金融機関の営業マンは様々な売買提案を行います。
私も銀行員として働いていた時代はこのような市場変動をキッカケに使って営業活動をしていました。
しかし、値動きに乗じてタイミング良く売買を行うことは投資のプロでも難しいことです。
私自身もそういった取引にチャレンジして上手くいったこともありますが、
失敗して損をしたこともたくさんあります。

このような自分自身の投資経験だけでなく、大手金融機関で取引する1000人以上の個人投資家が
相場変動時にどのような行動に出るかを見てきた経験から、
短期的な変動のタイミングを上手く掴んで取引を続けることは不可能に近いと悟りました。
人間はどうしても感情に流されてしまい、合理的な判断ができない生き物だというのも1つの要因です。

つまり、どんなに時間と労力をかけても、的確なタイミングで投資判断ができる可能性は低く、
運用成績も結局は相場全体の動き次第であるということです。
多くの場合、株式市場が上昇していかないことにはリターンを確保できません。

短期的な株価の変動を予想することは不可能ですが、
一方で長期的な株価の変動はきちんとした原理原則があって動いていると私は考えています。
特定の会社の株価も短期的にはランダムに動きますが、長期的にはその会社の企業価値に集約していきます。
企業が利益をあげて成長していく限り株価も上昇していきます。
したがって、価値が継続的に増大していく対象に時間をかけて投資を続けることで
確実にお金を増やすことができます
逆に言うと、成長するものに投資しないと長期で投資していても報われません。

したがって、成長する資産を見つけることが大事なわけですが、
多くの人にとって何(どこの地域、どの会社)が成長するのか選別することは困難です。
そのため、世界経済全体に投資することによって地球規模での経済成長の恩恵を
取り込んで自分のお金を増やしていく方法をお勧めしています。

世界経済の中心的な役割を担う米国の株式市場について、
以下のコラムに「S&P500株価指数」という米国の代表的500銘柄の株価を集計した指数の過去の推移が掲載されています。
長期的に成長を続け1年あたり9%超のリターンとなっていることが確認できます。
http://mail.omc9.com/l/01XqS2/uiNTiYLj/

短期的には上下を繰り返し、リーマン・ショック時には大きく暴落していますが、長期的には右肩上がりです。
米国の実体経済が成長を続けていることで、短期的な上下の値動きを経て米国株式市場は史上最高値を更新しています。
このような長期的に成長していく市場に時間をかけて投資することで確実にリターンが得られるのです

なお、上記の竹中正治氏のコラムは株価下落に対するリスクヘッジや為替リスクのコントロールの重要性についても説明しています。
私がいつも相談者にお伝えしていることを、データも使って解説してありますので、興味ある方は是非ご一読ください。