相場変動を受け入れ投資を継続することでリターンが得られる理由

2021年末までは世界的に株式市場の上昇が続いていましたが、それ以降は変動を繰り返しながら停滞気味に推移しています。資産運用を始めて間もない方から、「期待していたほど増えないな」とか「このまま続けていて大丈夫なんだろうか」と感じて相談をされるケースが増えています。

 そこで、今回は株式市場が大きく変動しても長期でじっくり運用すれば最終的には儲かる可能性が高い理由や市場変動に負けずに資産運用を続けるポイントをまとめていきます。

 

株式は有価証券と言われるように価値がある資産です。しかも、価値が増加していく仕組みになっています。企業は利益を上げると一部を配当金として株主に支払い、残りは内部留保として株主資本に加えられ、株式の価値が増加していきます。

ただし、特定の企業の株式しか保有していないと、運悪くその会社が倒産してしまうかもしれませんし、継続的に利益を稼いでいけるとは限りません。

そこで、投資信託を使って世界中の企業の株式に幅広く分散して投資しておく必要があるのです。

 世界中の幅広い企業の株式に投資した場合のリターンは長期的にはGDPの成長に連動していきます。世界経済はゆっくり成長しています。世界の人口は増えていますし、発展途上国や新興国の人々の生活も確実に良くなっています。人類にはより良い生活を送りたいという本能的な欲求もあります。世界的にはインフラ投資が起こり、イノベーションも進み新しい商品やサービスが次々と生まれています。

したがって、一時的に経済成長が減速することはあっても成長が止まってしまうということは考えにくいのです。

もちろん短期的には大きな変動がありますが、長い期間投資を継続することによって相応の収益が得られるはずなのです。

様々な過去のデータを検証しても世界の株式に幅広く分散投資を続けていれば、年率57%くらいのリターンを得ることはそれほど難しいことではないことが分かります。

 

しかしながら、投資を継続することは簡単ではありません。

私はこれまで1000人以上の資産運用への取り組み方を見てきましたが、投資経験があまりないうちは不安に感じて投資を止めてしまう人や、逆に投資金額を増やし過ぎてしまいリスクを取り過ぎてしまう人がたくさんいます。

リスクをコントロールしながらきちんと投資を継続できている人はそれほど多くありません。

大きな下落局面が到来しても落ち着いて投資を継続できるようにしておくことが重要です。

私が資産運用をサポートするお客様には想定される最大損失額を必ず伝えて、いくらまでであれば一時的な損失に耐えられるかを確認し投資金額や資産配分を決定しています。

 

最悪の事態を想定できているか、そして当面の生活費など流動性資金を確保できているか、という2点が相場変動に負けずに資産を増やしていくためには重要なポイントになります。