NISA口座、半数が休眠の理由

フォーラムセミナー

 

2月28日に、FP協会東京支部の主催する新春中野FPフォーラム2015にてセミナー講師を担当しました。

NISAがスタートして1年経ちましたが、多くの人がどのようにNISAを活用しているのかを報告し、投資初心者がNISAを徹底活用する為にはどうしたらよいか具体的な方法をお伝えしてきました。

初年度に800万件を超えるNISA口座が開設されました。これは金融業界の当初の目標を大きく上回るものでした。しかし、その半数以上は実際に投資に使われていない残高がゼロの休眠状態にあります。

まだ眠っているだけでいずれこの口座でも投資がスタートするという意見も一部にはありますが、私には到底そのように思えません。

なぜかというと、NISA導入時の各金融機関の取り組み方に理由があります。口座を開設するだけで2000円をキャッシュバックするといったキャンペーンも要因の1つですが、大手金融機関の尋常ではない営業力に本当の原因があると思います。

各金融機関にはNISA口座の獲得目標があり、それが部門ごと、支店ごと、社員ごとと順次目標が割り振られます。大手金融機関は、与えられた目標を一致団結して達成するもの凄い力があります。
社員が自身のNISA口座を開設するのは当然かもしれませんが、社員の家族にも呼びかけて開設してもらいます、たとえ投資に興味が無くても既存の取引先のお客様にもとりあえず口座だけ開けてもらっていたようです。一部にはノルマを達成する為に、学生時代の後輩を集めて口座数を稼ぐ、といったことまでやったとの情報もありました。。

金融機関に頼まれて、とりあえず口座を開設しただけの人が投資を開始するでしょうか。
そして、大手金融機関の営業担当者が与えられている営業目標の大きさからすれば、100万円の投資を獲得する為の営業活動に注力する余裕はありません。
当初は獲得件数の目標があったから営業力が発揮されたのであって、その口座中で投資をさせることに力を注ぐ気になれないというのが営業担当者の本音だと思います。

私にはこの休眠口座が目を覚ますとは思えません。