来年から改正される新NISAについてのメディア報道も増え、お客様から質問を受けることも多くなってきました。そこで、NISA改正に向けて2023年中に準備しておくことをまとめておきます。
まず、新NISAを使うために今年何か手続きをしておく必要があるのかについてですが、現行のNISA制度(つみたてNISA・一般NISA)を利用している人がそのまま同じ金融機関で新NISAを利用する予定であれば、特に準備手続きは必要ありません。2024年になれば、自動的に今のNISA口座が「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を備えた新NISA口座となります。
現在、特定口座は利用しているもののNISA口座は未開設という人は2023年中にNISA口座を開設すれば2024年の新しいNISA口座が自動的に開設されます。
もし現在利用している金融機関とは別の金融機関で新しいNISAを利用したい場合は、2023年10月以降に一定の手続きが必要です。新しいNISAは非課税運用期間も恒久化され長期にわたって使うことになりますし、投資可能額も大幅に増額され個人資産全体への影響も大きくなるため、個人のライフスタイルや活用法に相応しい金融機関に変更することも選択肢となります。
ちなみに、新NISAでも年ごとに利用する金融機関の変更は可能とされていますが、資産管理が複雑になりますし、見直すのであれば新制度が始まるこのタイミングがオススメです。
また、現行のNISAで保有している商品を売却しあらかじめ現金化しておく必要もありません。新NISAの生涯非課税保有限度額(1800万円)とは別枠で、一般NISAは5年間、つみたてNISAは20年間非課税運用を継続できます。たとえば、一般NISAで2023年に投資した分は最長2027年まで非課税で投資を継続できます。つみたてNISAも同様で2023年に投資した場合は最長2042年まで非課税で投資を続けられます。ただし、5年や20年が経過したときにそれをロールオーバーして新NISAに非課税のまま移管することはできません。
いずれにしても、2023年までに現行NISAで投資した分は2024年に新NISAが開始されても、引き続き現行NISAの制度として保有を継続できますので、慌てて売却してしまわないように注意してください。
現行のNISAで保有する商品は非課税運用期間が終わる頃に売却して新しいNISAで改めて投資するのか、非課税期間終了後に自動的に移管される課税口座(特定口座)でそのまま運用を継続するか判断することになります。
来年から始まる新しいNISA制度を利用するにあたって、現行のNISAを利用していて同じ金融機関で新NISAを利用予定であれば、2023年中に必要な手続きはありませんが、NISAの活用方法によって10年後や20年後には数百万円単位の違いが生まれてくるため、新しいNISAをどのように使うのかについては早めに検討しておくことをオススメしています。