アドバイザーの提供できる価値とは

最近、金融業界でもアドバイスビジネスに取り組む金融機関が増えています。

営業活動で金融商品を売り込むビジネスからようやくアドバイスで付加価値を提供しようと意識が変化してきました。そこで、今回は本物のアドバイザーが提供できる価値について整理してみます。

 

アドバイザーの提供できる価値にはすぐに実感してもらえる価値と時間がかかるものがあります。

多くの人が期待するのはアドバイスに従って投資することによって、お金が増えることだと思いますが、運用成果という価値提供には時間がかかります。運用成果は短期的には運によるところが大きいからです。ギャンブルのような投資ではなく、合理的にリスクをコントロールすればするほど短期的に増やすことは難しくなります。したがって、運用成果による価値を感じてもらうためには超長期の時間が必要です。

 

一方で、すぐに実感してもらえる付加価値もあります。

分かりやすいのはコスト削減や節税効果です。同じような金融商品でもコストが10倍近く異なることはよくあります。大手金融機関が提案している金融商品や金融サービスと同じような機能を10分の1のコストで実現できることはよくあります。

また、税優遇制度を効率的に活用することで得られる節税メリットもすぐに違いを実感してもらうことが可能です。公的制度をしっかり理解し、最適なアセットロケーション(資産配置)を実現できると節税によって多くの資金を手元に残せます。

 

資産運用により期待できるリターンは不確実ですが、確実にリターンを改善できる数少ない方法がコスト削減と税負担の軽減です。

 

他にも、保険の適正化によって、過剰に加入されている保険料を削減できることも多くあります。将来家計のキャッシュフローを見える化することで不安解消や安心感という価値を実感していただけることもあります。

公的年金制度に不安を感じている方には具体的な年金シミュレーションを行い、「いつから」「いくら」年金がもらえるのかお伝えし、年金額を少しでも増やすための対策を提案します。また、保有している金融資産の中でどこまで投資していいのかご自身では判断できないお客様に対しては、リスク許容度を確認しながら個人に最適な資産運用プランを提案することで、個人資産全体を最適化する投資金額が決まることもあります。

不動産投資と金融資産運用のバランスについての助言に価値を感じていただくこともあります。

 

以上のように短期間でも提供できる付加価値は十分ありますが、継続的にサポートをするからこそ提供できる価値もあります。

必要なタイミングに必要な金額が確保できるよう個人のライフプランや資金計画に合わせて、投資金額をコントロールしたり、運用資産の配分を調整していくことは、長期的な視点で効率的に資産を活用し、収益を確保することに繋がります。

また、相場急変時の対応についてはお客様の資産状況や投資に対する考え方を把握しているからこそ迅速な提案が可能になります。