資産運用に必要な見直しとは

資産運用は長期間にわたって継続していくことになります。

ライフプラン(人生計画)に基づいて資産運用プランを綿密に作成したとしても、計画通りの人生とならないのが当たり前です。収入や支出の変化も想定通りとは限りません。

したがって、ライフプランの修正や資産状況の変化に応じて、資産運用についても定期的な見直しが欠かせません。

そこで、今回は資産運用の見直しについて整理してきます。

 

長期的な資産運用には「リバランス」が必要と言われます。

リバランスとは時間の経過に伴う相場変動により、資産運用を始めた当初に組んだ資産配分比率からズレが生じてきます。このズレを解消するために、比率の高くなった資産を一部売却したり、比率の低下した資産を買い足したりすることで、資産配分比率を元の配分に調整することをリバランスといいます。

 

リバランスをすることでリスク水準をコントロールし、想定以上のリスクを取った状態になってしまったり、反対に期待したリターン水準に達しないポートフォリオになってしまうことを防ぎます。また、中長期的な投資パフォーマンスの向上にもつながります。

どの資産も右肩上がりに上昇し続けることはありませんので、値上がりした資産を一部売却して利益を確定し、その資金で値下がりした資産を安く購入することでパフォーマンスを改善できる可能性が高くなります。

 

リバランスをする際には、運用資産の中で株式や債券などの比率を調整するだけでなく、リスク資産と現預金など安全資産のバランスを意識することが重要です。

特にここ数年の金融市場は金利低下により債券クラスを組み入れるメリットが低下しているため株式クラス中心のポートフォリオを構築することが多くなっています。その場合は安全資産とリスク資産のバランスを定期的にチェックしておくことをお勧めしています。また、今後3年~5年で必要な資金が確保できているか、暴落局面に遭遇しても追加投資する余力が確保できているかも同時に確認しておきましょう。

 

そして、個人の資産運用において「リバランス」よりも大切なことがあります。それは、ライフステージや資産状況の変化に応じた「リアロケーション(資産配分比率の見直し)」です。

資産形成に取り組む30~40代、収入も増えて資産構築も進んできた現役バリバリの50代、退職後のセカンドキャリアを見据えた60代では、それぞれ資産運用において許容できるリスクの大きさも変わってきます。

保有する資産規模やキャッシュフロー(家計収支)が変化しているのに投資方針が同じままでは適切な資産運用ができているとはいえません。

 

数年間、リバランスをしなかったとしても人生を通じた資産運用にそれほど影響はありませんが、5年・10年経過してライフステージや資産状況、キャッシュフローが変化している場合には現在の運用方針が適切かどうか確認しておくことが極めて重要になります。