金融商品を利用する際に理解しておくべき3つのポイント

世の中には利用する価値のない金融商品がたくさん売られています。
多くの専門家が否定的な評価をしているにもかかわらず、残念ながら、人気が出てよく売れてしまうことがあります。

そこで今回は、金融商品についてそれほど詳しくない一般の人が商品を選ぶ際に
どのように判断すればいいのか整理したいと思います。

まず大原則として、「分からないものは買わない」ことです。
仕組みを理解できない商品にもかかわらず、「儲かりますよ」と勧められるままに購入して、
期待とは異なる結果になってしまっても営業マンを責められません。

しかし、完璧に理解するまで買えないとなると、何も購入できなくなってしまいます。
それに、「どこが分からないか分からない」という人も多いと思いますので、
最低限、押さえておくべきポイントを3つ紹介します。

1.コスト
その商品を利用する際に直接・間接に負担する手数料の具体的な金額はいくらか。
そして、その手数料が他の商品と比べて高いのか安いのかも知る必要があります。

2.リスクの所在と大きさ
どのような局面でどれだけの損失が発生する可能性があるのか。
金融危機が発生した場合にどの程度の損失が発生するのか、そうなっても回復する可能性があるのか。
仮に回復するとした場合、どのくらいの時間を要するのかも重要です。

3.流動性
いつでも売却して出金できるか。
解約するのに制約がある場合は、その条件や手数料も把握しておく必要があります。

以上です。
この3つのポイントを理解して金融商品を選ぶと、コストが安くてシンプルな商品に行きつくと思います。

過去の運用実績を重視して商品を選ぶべきとの意見もありますが、
私はどんなに素晴らしい実績があっても、将来の運用成果を約束できるものではありませんし、
経済環境も変化していくため、参考程度にしかならないと考えます。

最後に、営業マンの立場や金融機関の姿勢も理解しておくと間違った判断をする可能性を減らせると思います。

金融商品の営業マンは販売のプロであり、プロのアドバイザーではありません。
心理学を勉強したり、どのようにすれば顧客と優良な関係を築き、
購入してもらえるかという営業スキルを磨くことには熱心ですが、
顧客のお金の悩みを解決するための幅広い情報や金融知識を習得できていない営業マンが多くいます。

商品を企画し設計する金融機関の担当者も同じです。
どうすれば顧客の共感を得やすいか、販売担当者が売りやすいか、という視点で必死に考えています。
どんなに顧客にとって価値のある商品であっても、売れて会社の売上に繋がらないと評価してもらえないからです。