目的別の資産運用がお勧めできない理由

家計管理の手段として資金使途別に必要となるお金を把握しておくことは重要ですが、
資産運用においては目的別に分けて管理することはお勧めできません。

しかし、多くの人は「目的別にお金を貯めたり、増やしたりするのは当然じゃないか」と考えているようです。
「教育資金の準備は学資保険で!」とか「老後資産の準備は個人年金保険で!」といった具合に、
目的別にお金を運用したり、金融商品を購入するように勧める金融機関や営業マンが多いからでしょう。
顧客にとってはその方が分かりやすいし、
営業マンにとっても非常にセールスしやすいために考え出された戦略であり、
その結果、多くの人が「目的別に資産運用すべきだ」という思い込みを持ってしまっています。

しかも、目的別にさまざまな種類の金融商品をあれこれ買ってしまい、
結果、高いコストを負担させられているケースが多くあります。

目的別に資産運用するということは、保有資産を小口に分けて運用するということであり、
効率的な方法ではありません。運用はできるだけまとめてした方が合理的だからです。

それに、目的別に運用するためには、資金ごとに運用期限を区切っていくことになります。
必要な時期に予定どおりの金額をきっちりと確保するためには、価格変動の少ない運用にせざるを得ません。
本来はまとまった資金を適切なリスクを取りながら運用していくことでリターンが獲得できます。
資金が必要なタイミングを考慮しながら、
その時の経済環境に合わせて売却する資産を選択していく方が資金を効率的に活用できます。
つまり、資金が必要になる時期が近づいてくるのに合わせて投資している金額を減らしたり資産配分を調整していくのが理想的です。

そもそも、将来の収入や支出の金額・タイミングを正確に予想することはできません。
ライフプラン通りにいかず、予定外の支出が発生する可能性もありますし、
想定していた以上の収入が得られるようになるかもしれません。
だとすれば、目的を決めた貯め方をしたり、金融商品を買ったりしても意味がありません。
すぐに使わない資金をまとめて運用しながら、経済環境やライフプランの変化を考慮して
全体の資産を管理していくことが無駄の無い合理的な運用方法となります