NISA・ジュニアNISAでのロールオーバー手続き

2018年にNISA口座で投資した商品を保有している人には取引金融機関からロールオーバー手続きの案内が届いています。

一般NISA(非課税投資限度額:年間120万円)やジュニアNISA(非課税投資限度額:年間80万円)を利用していると、非課税期間が終了する年末に毎年手続きが必要なため、今回はロールオーバー手続きについて整理していきます。

なお、「つみたてNISA(非課税投資限度額:年間40万円)」を利用している場合は20年間非課税運用が可能な仕組みになっていてロールオーバー手続きは必要ありません。

一般NISAとジュニアNISAはともに非課税期間が5年なので、非課税期間を延長し、非課税口座で保有し続けるためには、翌年の一般NISA(またはジュニアNISA)に商品を移し替える「ロールオーバー」の手続きを行う必要があります。

この手続きを忘れてしまうと、自動的に課税口座(特定口座)へ移されてしまいます。

非課税運用の期限が到来しても勝手に売却されたり運用が終了することはありませんが、節税メリットを受けられなくなります。

ロールオーバーが可能な金額に上限はなく、非課税期間終了時に運用資産の評価額が120万円(ジュニアNISAの場合80万円)を超えていても全額ロールオーバーできます。これは非課税投資枠を増やすことができるため非常に大きなメリットになります。

一方で、ロールオーバーする際の注意点もあります。

翌年の非課税投資枠を利用するので、新たな資金で投資できる金額は少なくなります。120万円以上になっている場合にはNISAでの新規投資はできません。

また、ロールオーバー手続きには期限があります。金融機関によっては12月上旬に期限を設定しているところもあります。

(SBI証券は12月8日、楽天証券は12月30日)

ジュニアNISAでのロールオーバー手続きには申込書類の“郵送”提出が必要な金融機関もあるので注意が必要です。

(楽天証券のジュニアNISAロールオーバー申込書は12月16日までに投函が必要)

では、ロールオーバーするべきかどうかどのように判断したらよいのでしょうか。

ポイントはいくつかありますが、まずは保有している銘柄(商品)の継続保有意向です。引き続き保有しておきたいと思える銘柄であれば、ロールオーバーします。

特に、2018年に投資した商品の評価額は大きくプラスになっていることが多いため、今回は多くのケースでロールオーバーした方が良いでしょう。

商品の見直し余地が多少はあったとしても、現在の評価額が120万円超となっているのであれば非課税枠を拡大できるのでロールオーバーすることをお勧めしています。

一方で、利用者によっては「一般NISA(非課税投資上限:年間120万円)」ではなく、2018年から開始された「つみたてNISA(非課税投資上限:年間40万円)」に切り替えた方が良いケースもあります。非課税運用期間は20年と長く、仕組みがシンプルで使いやすい制度です。

2022年まで「一般NISA」を利用し、2023年から「つみたてNISA」に変更したいという場合には、「区分変更」手続きを行いましょう。

最後に、一般NISAについては2024年から2階建ての新NISAに切り替わる予定でしたが、金融庁が2022年8月に取りまとめた税制改正要望項目では見直しが提案されています。12月に発表される税制改正大綱と2023年の法改正を経て最終的にどのような形になるかは未定ですが、一般NISAは大きく変わる可能性があり、今後も注目しておく必要があります。