日米の株式市場は引き続き堅調に推移しています。2025年に入り、日経平均株価は史上初めて5万円の大台を突破し、米国市場でもS&P500やNYダウが連日のように史上最高値を更新する場面が見られました。こうした「高値圏」のニュースを耳にすると、未経験の方は「今から投資を始めるのは遅すぎるのでは?」と不安になったり「下落を待った方がいいのでは?」と考えてしまいます。既に資産運用に取り組んでいる方は「今のうちに利益確定のために売却すべきか」と悩みやすくなります。
そこで今回は、過熱感のある相場状況において、私たちはどのように考えて資産運用に取り組むべきか、やっておくべきことは何か解説します。
1. 「最高値」は通過点。マーケットに居続ける勇気を持ちましょう。
まず理解しておきたいのは、歴史的に見て株価の「史上最高値」は何度も塗り替えられてきた通過点に過ぎないということです。いつかは必ず調整(下落)がやってきますが、それが明日なのか、さらに30%上昇した後なのかを正確に予測できる人は誰もいません。
最も避けるべきは、下落を恐れて現金(キャッシュポジション)を過剰に持ちすぎ、上昇の恩恵を逃すこと(=機会損失)やインフレに対応できず資産価値を棄損してしまうことです。
バブルのような熱狂は、想像以上に長く続くこともあります。市場の動向を予想して売買するのではなく、「常にマーケットに居続ける」ことこそが、長期的な資産形成においては重要です。
2. 「早すぎる利益確定」が将来のリターンを削る。
少し利益が出ると「今のうちに売っておこう」という誘惑に駆られます。しかし、資産運用の目的が老後資産の準備や余裕資金の運用であるなら、短期的な値動きに基づいた利益確定は避けるべきです。
「一旦売却しておいて、安くなったところで買い戻そう」と考える人もいるかもしれませんが、それもお勧めできません。さらなる価格上昇により買い戻すタイミングを失い、何もせずに運用を継続した場合よりも少ないリターンしか得られないことがよくあります。
売却するかどうかは個人資産全体のバランスとキャッシュフロー(CF)計画次第です。
当初より長期的な資産成長に期待して運用に取り組み、CF計画が変わっていないのであれば、どんなに株価が上昇しても淡々と運用を続けることをお勧めします。
特定の資産比率が膨らみすぎてリスク許容度を超えた場合のリバランス(再分配)や、資金が必要になるときこそが、売却を考える正しいタイミングです。投資信託の売却は、あくまでライフプランに基づいた計画的な出口戦略として捉えましょう。
3. 株価高騰時にやっておくべきこと
相場が良い時こそ、リスクを取りすぎていないか、今後必要となる流動性資金が確保できているかを再度確認しておきましょう。
金融危機などにより株価が大暴落した場合に発生する最大損失額を把握して、それでも経済的にも精神的にも落ち着いていられるかがリスクを取り過ぎていないかのポイントです。そして、ライフプランを整理して個人の将来キャッシュフローをしっかり把握することで投資可能な資金を明確にしておくことが重要です。
資産運用において金融市場の先行きを予想して投資行動を変える必要はありません。
流動性資金と運用期間が確保できていれば、どんなに株価が高騰しても運用方針を変える必要ありません。
バブルは結構長く続くかもしれませんし、相場の先行きは予想できないと割り切って、無理し過ぎず淡々と資産運用を続けていくことをお勧めします。
